始めに
『テイルズ オブ ゼスティリア』レビューを書いていきます。ベルセリアの前作です。
| 独創性 | 完成度 | 快適さ | ボリューム | フィクション | その他 | 判定 |
| 6 | 5 | 3 | 7 | 4 | 2 | 良(27) |
- 致命的なのはシナリオで、ゲームとしては一応遊べはするレベルの完成度
- 装備とスキル周りはちょっと面白い
- シナリオが例を見ないレベルで絶望的にひどい
- 戦闘も調整不足
ゲームフィクション
あらすじ
天族の杜イズチの住人に拾われ育った少年スレイ。幼馴染のミクリオと世界中の遺跡を冒険することが彼の夢です。
ある日、杜の近くの遺跡探検中にミクリオを助けようとして、崩落に巻き込まれます。そこで発見したアリーシャを追って、スレイはミクリオと外の世界に出ます。
スレイは下界で商人の少女ロゼと、伝承にある「湖の乙女」と呼ばれる「浄化」の力を持つ天族の女性ライラと出会い、天族と人間の共存する世界をつくる「導師」となることを志します。

狂ったシナリオ。ロゼがやばい
本作は本当にシナリオがひどいです。ひどいというのはベタで驚きがないというのではなく、電波で気持ち悪いということです。 マジでイかれてる脚本で、本当に開いた口が塞がらない場面ばかりでした。路線としてはヴェスペリアの(全体的に正義とも言い切れない言動が多い)ユーリ全肯定みたいな気持ち悪さをさらに突き詰めた感じです。
本作はロゼという殺し屋のメインヒロインがいるのですが、こいつはなんと悪人を殺しても純粋だから穢れないために正当化されるという、カルトが殺人を肯定するときみたいな謎設定を詰んでいて、ストーリーが本当に気持ち悪いです。
ただただ胸糞悪いシナリオ
全体的に暗く重苦しい政治劇みたいなのが展開されていくんですが、世界設定として暗殺が正解みたいな流ればかりで、ひたすら胸糞わるいです。
重要設定の穢れ(けがれ)は悪意から生まれ、量が過ぎると人や天族や動植物などを蝕むエネルギーで、穢れが積もると人や天族、動植物は「憑魔(ひょうま)」となり、更に天族はドラゴンとなります。この設定があるなかロゼは善悪すら超越して穢れることがないので、こいつが殺すのが大抵正解みたいな流れになります。
ゲームメカニクス
戦闘
各ユニット
戦闘パーティは人間と天族のペアが前提です。天族は戦闘中、神依している時以外は控えの天族と交代できます。
人間(スレイ、アリーシャ、ロゼ)は特技、奥義が使用可能で近接攻撃が得意です。しかし術にあたる天響術が使えず、物理耐性のある敵などが苦手です。
天族(ミクリオ、ライラ、エドナ、デゼル、ザビーダ)は特技、天響術が使用可能です。特技も天響術中遠距離での戦闘に長けています。
リソース
SC(スピリッツチェイン)は各種攻撃で消費されます。時間経過や防御や回避成功で回復します。ディスティニー2のTPとSPを複合した感じです。
BG(ブラストゲージ)は防御や回避などで溜まります。ゲージを消費してSCを回復させたり敵を吹き飛ばせすブラストを発動できます。BGが3以上たまった状態で、連携中にコマンド入力で秘奥義を発動できます。ブラストはベルセリアに継承します。
アクション
アラウンドステップと言って、前後左右のステップで敵の攻撃を回避します。タイミングよく避けると「対応回避」が発動し、ダメージが1になり敵をひるませたりSCを回復させます。この辺りはベルセリアに継承されます。
神依(かむい)はBGを1消費して、人間と天族が合体するシステムです。奥義と天響術が使え、人間と天族の特徴を合わせます。神依時、バニッシュブラストを自動的に発動します。神依はめちゃくちゃ強く、しかも敵も神依前提の強さなので、神依でゴリ押しするワンパターンな立ち回りを強いられます。
弱点連携
弱点連携は弱点で攻撃すると一定時間全ての攻撃が弱点となり、ダメージ増加やSC消費低減がなされるギミックです。
このためコンボにさまざまな術技を組み込むよりも、弱点の技から高ダメージの技連打が効率的で単調になりやすいです。
コンボデザイン
シリーズ恒例のコンボデザイン要素ですが、本作はセットできる技数が少なく、コンボの幅が狭いです。
三すくみ
本作には、特技→天響術→奥義の三すくみがあります。
特技は術の詠唱を中断させられ、術は奥義を受けてものけぞらないうえに詠唱が短縮される、奥義は特技にのけぞりません。
術は三すくみで有利のメリットが大きく、術一強のバランスになっています。
リアルマップバトル
シリーズ初(というより今の所唯一)のシームレスバトルシステム「リアルマップバトル」を採用しています。エネミーシンボルにエンカウントすると一定範囲をそのまま戦闘フィールドにしバトルになります。
このシームレスバトルは非常に出来が悪く、戦闘しにくい地形でも平気でぶつ切りのフィールドになります。
デッキビルド
装備品
装備品毎に熟練度が設定され装備して戦闘すると熟練度が上昇します。
装備毎にスキルをセットするスロットが4つあります。そのうち1つには各装備で決められたスキルがセットされており、残りのスキルは特に決まっていません。
スキルには、全50種類ある「基本スキル」とその組み合わせで発動する「ボーナススキル」の2種類があリます。
同名装備はショップなどで融合することができます。これで装備品の性能が少し向上します。融合した装備品のスロットにスキルがセットされていたなら。そのスキルも引き継ぎます。







