癖が強いが良作。『ロックマンエグゼ5』レビュー

始めに

『ロックマンエグゼ5』レビューを書いていきます。シリーズ(1.2.3.4.5.6)の1作です。

ゲームフィクション

あらすじ

　熱斗がいつもの仲間とパパのところにくると「緊急事態発生」のアナウンスが。
　事件を解決するために、情報を集める熱斗とロックマン。2人はチームのメンバーとして戦うことになります。

サイバーパンクな世界観

　現実世界と電子機器やネットに広がる「電脳世界」を行き来する、サイバーパンクな世界観になっています。Xシリーズ(1[無印,イレ].2.3.4.5.6.7.8)から『ブレードランナー』の影響でサイバーパンクジャンルにコミットしていましたが、本作もそれを継承する感じです。
　主人公の熱斗が現実世界を探索し、端末にPETを「プラグイン」してネットナビのロックマンを電脳世界へ送り、トラブルを解決します。

シリーズの傾向

　シリーズ(1.2.3.4.5.6)の経過として、全体的に荒削りながらインパクトの大きかった１、マイナーチェンジに成功しつつも壊れPAで本編も対人もさらにピーキーになった２、本編は物語的にもシステム的にも洗練されバランスが良いものの対人は相変わらずな３、ダークチップ・バージョン商法・SRPG要素など癖が強すぎる新要素で人を選び、バランスも本編(4は対人が相対的にマシ)はやや悪化した4.5、システム的にも物語的にもシリーズの集大成で最高傑作な６、という感じです。

　本編重視の人は3か6、対人重視の人は4か６を最高傑作と見る傾向が強い印象です。

ゲームメカニクス

リベレートミッション

基本

　リベレートミッションでは、ロックマンに加えてチームメンバーのナビを操作します。
「ダークロイド」と呼ばれる、エリア最奥にのナビを倒すと勝利です。味方全員のHPが0になると敗北になります。
　マップには殆どのナビが侵入できない「ダークパネル」があり、これを「リベレート(消去)」しながら進みます。ダークパネルの前で「リベレート」のコマンドを選ぶと戦闘に突入し、勝利するとリベレートできます。
　このとき3ターンまでに終了させない失敗です。リベレートの際、周りにダークパネルが少ないと有利な状態で、不利な状態で戦闘になります。
　1ターンで戦闘に勝利すると「1ターンリベレート」となり、周りのダークパネルをまとめてリベレートできます。

　味方のナビが全員行動を終了すると敵フェイズになります。敵フェイズではガーディアンがヤミのあなから発生し、移動と攻撃を行うほか、ダークロイドも行動します。

ダークパネル

　ダークパネルにはアイテムが隠れた「アイテムパネル」があり、リベレートで恩恵を受けられるものの、罠が隠されている場合もあります。ゲーム中盤以降のミッションではアイテムパネルから「カギ」を見つけないといけません。
　マップには「ガーディアン」という大型のウイルスを生み出す「ヤミのあな」というダークパネルが点在し、リベレートに成功するとそこから生じたガーディアンは消え、周囲8マスもリベレートできます。
　ダークロイドの周囲8マスは「トリデパネル」というダークパネルとなり、そのままではリベレートできませんが、ヤミのあなを全てリベレートすると、トリデパネルは通常のダークパネルへと変化します。

チームメンバー

　チームメンバーは特殊能力や「オーダーポイント」を消費して使う固有コマンドを有します。

　ミッションではナビの役割に応じた使い分けが必要です。

総評

　リベレートミッションは、さまざまなユニットを操作させたいというところから起こった感じでしょうが、まあ可もなく不可もなくという感じです。

　可もなく不可もなくというのは、従来のロックマンの戦闘にSRPG要素が加わったことで遊びが深くなったかというとそんな印象はせず、ただ要素が追加されたに過ぎない感じで、とはいえ別にすごくノイズになっているわけでもないという印象です。

デッキビルド

ダークチップ

　他のチップと同様に、チップフォルダに入れて使用する形式となりました。フォルダに入れられる枚数は3枚までで重複不可です。

カオスユニゾン

　カオスユニゾンが善のロックマン限定で使用できます。
　ダークチップを消費して変身でき、効果は1ターン限定です。カオスユニゾンはチャージが完了すると、闇のエネルギーが拡大縮小を繰り返し、拡大している時にタイミングよくボタンを離すと、消費したダークチップをデメリット一切無しで使えます。
　エネルギーが縮小している時にボタンを離すと変身が解除され、敵エリアにロックマンのダークソウルが一定時間出現して攻撃してきます。
　カオスユニゾンのチャージは使う度にチャージが長くなります。

　前作でダークチップのデメリットが大きすぎて本編で使いにくいかったところ、カオスユニゾンによって一気に使いやすくなりました。かなりバランスブレイカーで、対人環境もこのせいでめちゃくちゃです。シリーズ(1.2.3.4.5.6)の６ではダークチップは廃止されます。